依頼屋
夜、私達は一旦休憩して夕食を食べていた
「…今日ついてきていたお前の護衛の何人かは盗賊の仲間だった」
「そうか…」
アランが悲しそうな目をする
人はいつかは裏切られる
それは王族も平民も奴隷も皆同じだ
私はあの眼を知っている…
あの時の私の目…
孤独で寂しくて苦しさを抑えている目…
私はいてもたってもいられず、彼に抱きついた
「な、なにを…!」
「泣いていいよ」
「何言って…」
そう言うアランの頬には一筋の涙が伝った
…そう、それでいい
きっと貴方には未来がある
愛してくれる人がいる
だから…きっと…大丈夫…
ちらっと彼を見ると彼は温かい眼差しでこちらを見ていた