依頼屋
「ねぇ、これどこに向かってるの?」
ふとリゼリアが全く空気の読めない発言をした
お前は目的地も知らずついてきたのか…
俺はお前を利用してるんだぞ…
なんにせよ少し信用し過ぎている気がする
「サーリアだ」
呆れて溜め息をつきながら言うと
リゼリアが珍しくうろたえた
普通の人なら分からない位だが俺には分かる
そういえば俺はあの時からの彼女を知らない
あれから何があったのか
何のために依頼屋をしたのか
なぜこの依頼を受けたのか
聞きたいことはたくさんあるのに
なんとなく聞いてはいけない気がして聞き出せない
「さぁ、明日の朝までには着くように早く出発するぞ」
アランの言葉に俺達はまた歩き出すのだった