依頼屋



「お家はどこ?」


「ここだよ」


そう言って少女は目の前の大きな建物を指差す


「ここ…?」


「うん、ここ。あ!ジークだ!ジーク!!」


彼女に呼ばれて振り向いたのは小さな男の子だった


「ローラ、何やってるんだよ


ペンキ屋は来ないって言ってるだろ


それにこの人達…」



ジークは可愛らしい目で私達を睨む


…可愛い顔が台無しだ



「なんでも屋さんだって!!


ペンキも塗れるって言ってるから


手伝って貰おうよ!!」



「バカ。そんなの神父さまが許してくれないよ」


「絶対許してくれるもん!」


「こらこらそこで何やってるんじゃ」



中から出てきたのは年老いて杖をついた男性だった


「外で喧嘩をするでないといつも言ってるじゃろ


おや?そこの者達は…」

< 80 / 205 >

この作品をシェア

pagetop