依頼屋
「わー!ねぇお姉ちゃん誰?」
子供達が一斉に集まってくる
人数はざっと30人ぐらいだ
「ペンキ一緒に塗ってくれるんだって!」
ローズはえっへんと胸を張って言った
「やったあ!ねぇこっち来てー」
「駄目。お姉ちゃんはこっち!」
「違うよ、お姉ちゃんは僕と一緒なの!」
「駄目!お姉ちゃんはローズの!!」
服を引っ張ったり手を引っ張ったりされる
こういう時どうしたらいいんだろ…
彼を見ると彼も同じ状態になっていた
でも彼は上手く子供達を誘導して奥の部屋に入っていった
やっぱり彼は流石だ
「こら、やめんか。お客様に失礼じゃろ
すまないね、じゃあお嬢さん、子供の手の届かない所をを塗って貰えんか?
さあ、お前達は自分の場所に戻れ」
すると、子供達は大きな声で返事をした後元気よくスキップで戻っていった
「すまないね、お嬢さん
歳というものはどうにも厄介なものでね
動こうとしても身体が言うことを聞かん
脚立にも登れんし、ペンキ屋も雇えんし
どうしようかと思っておったんじゃ
お嬢さん達が来てくれて助かった」
この親父さん、なんか苦手だ
何が苦手かはよくわからないがなんとなく一緒に居たくない
なんだか嫌な予感がする
「いえ、私は別に…」