ねぇ、どうして君は【Second】
「まだ案内するとこあるんですか?」
この空気は、なんだかまずい気がして話を仕事から逸らさないようにした。
でもそんなのには限界があって。
「…桜」
久しぶりに彼に名前を呼ばれて、私はぎこちなくとぼけ通すことしかできない。
「主任、私の下の名前覚えててくれたんですね。でも主任からは、一之瀬って呼ばれた方がしっくりきます」
「…元気、だったか?」
「何言ってるんですか。私が体調悪いように見えますか?」