ねぇ、どうして君は【Second】
「あれ、でもどうして隆司君が海外営業部に?」
広報部は確か…この上の階だったはず。
「あーちょっとうちの課長が山城さんに用があったらしくて言伝頼まれたんすよ」
「つまり雑用です」と付け加えて面白くなさそうな顔をしている。
「じゃあ今度からはまた頻繁に会えるかもね。その時はよろしくね?」
「はい!よろしくお願いします!」
気持ちのいいほどハキハキとした挨拶をして、隆司君は帰って行った。
それを、彼が見ていたなんて、私は気付きもしなかった。