ねぇ、どうして君は【Second】
「主任!ありがとうございました!」
深々と礼をした。
彼は「いーえ」と全然苦じゃなかったと言うように笑ってくれる。
「じゃ、帰ろうか?」
「はい。……あっ!」
そこまで言われて、初めて終電がないことに気がついた。
「どうかした?」
突然大声を出したことに驚いたのか、少し目を見開いて私を見る。
「終電…乗り過ごしました」
5分前が最後だった。
「なんだ、そんなこと」
「え?」
どうしようかと悩む私に、彼はポツリそんなことを言った。