ねぇ、どうして君は【Second】
「ごめん、なさい…」
私はもう、彼を好きになりたくない。
もしまた付き合って、高校の時みたいに浮気をされたら。
また泣いてばかりの日々が続いたら。
もちろん楽しいことだってあった。
だけど、あの頃の私には辛くて苦しいことの方が大きかったんだ。
あんな苦しい思い、もうしたくない。
「き、今日は送ってくださってありがとうございました…!もうここで大丈夫です。失礼しますっ」
「ちょ、桜!」
零れそうな涙を必死に堪えて、私は彼の車から飛び出して家に帰った。