ねぇ、どうして君は【Second】
中にいた人達の視線が、私へと一斉に向けられる。
海外営業部はこの会社で最近設立された部らしく、まだそこまで大人数ではないらしい。
それでも20人はいるわけで…。
堂々と通って行く部長の後ろをちょこちょことついて行った。
「えぇ〜…オホン。今日からここで働く、一之瀬桜さんだ。彼女は8年間フランス在住の、我が社のパリ支社の職員だ。色々と役に立ってくれるだろう」
「いっ…、一之瀬桜です!よろしくお願いします!」
ぺこりと大きくお辞儀した。
「彼女は帰国子女と言うこともあるから…暫くは誰かに面倒を見てもらうとするか」
「うーん…」と誰にするのか迷っている様子の部長。