ねぇ、どうして君は【Second】
「…ま、なくん…ッ」
あぁ、やっと名前を呼んでくれたね。
「桜…。好き。今までも、これからも、お前だけが好きだから」
そう言って、そっと彼女を抱きしめた。
小さくて簡単に壊れてしまいそうな彼女。
そんな彼女を、俺はいつまでも愛おしいと想い続けるんだろうな。
「桜は?俺のこと、好きでいてくれる?」
そう聞いた俺に、彼女は綺麗に微笑んだ。
あの別れの日に見た笑顔よりも、何倍も、何百倍も綺麗で。
「桜。愛してる」
その笑顔に、俺は今度こそちゃんと笑い返す。
『笑って?』
あの別れの日に言われた彼女の頼みを、8年越しに返すことができた。
【END】