空色スカイ
元々、お洒落には気をつけろと言われてきた俺。
クローゼットから服を取り出す。
「今夏やしな~
あつっくるしい服は嫌よな~…」
10分悩んだ挙げ句、
一番ラフなジーパンとTシャツにチェックの羽織り物を着て、
下に降りた。
「純っ!」
「なに?」
「なにじゃあらへん!
もう来てくれてはるわな!」
「は!?」
走って駆け付けると、
和室には3人…
お客さんが来ていた。
「すいません!
本間にうちの子は馬鹿で…」
母ちゃんが会釈しながら座る。
「…純?
はよ座りぃな」
「…あ…うん」
一目惚れだった。
白のロングスカートを身にまとった彼女は、
とても黒い長いサラサラの紙が似合う子だった。
「ほら、純!
挨拶しい。」
座ったばかりの俺を母ちゃんがせかす。
「あ…っと…
瑞沢 純です…
よろしくお願いします…」
「あんたシャツちょっと出てる……」
「おっ!?」
俺は急いでシャツをしまう。
「ふふっ」
彼女が笑っていた。
容姿通り、柔らかい声だった。
「すいませ…ん」
なぜか恥ずかしくなり下を向いた。
「私は桜川 夏美!
よろしくね。」
「あ…うん」
「純君、おばさんやおじさんにも甘えてね。」
「そうやで。
夏美と同い年なんやし、気ぃ使わんとな。」
「ありがとうございます!」
思った以上に優しいおばさんとおじさんで。
少し嬉しかった。