俺様王子は子猫がお好き
プロローグ
☆side 龍☆
「…来た」
どしゃぶりな雨の中、そんな外とは正反対に暖かく快適な車の中で俺は呟いた。
「龍様、こんな公園に何のご用ですか。それより今日こそ学校へ…あっ、龍様…!」
運転手の森川の言葉をさえぎるように俺は車から素早くでた。
待っていたかいがあった。
傘をさして公園の入り口に近づいていく。
その入り口から少し離れた大きな桜の木の下。
そこには……
「よしよし。春とはいえ雨降ると寒いよね~」
段ボールから小さな子猫を抱き上げている女の子が1人。
にゃあ、とかわいらしく鳴く子猫に愛おしそうに頬ずりするその姿に…
「……かわいい」
つい、そんな言葉をもらしてしまった。
「ほんとは放課後来ようと思ってたんだけどね、君が心配で朝にしたんだ」
女の子は柔らかな笑顔を子猫にむけている。
らしくもなく俺の鼓動が高鳴った。
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