俺様王子は子猫がお好き
しぶしぶパチンとハイタッチしてくれる玄野くんがはぁ…と溜め息をついた。
ふふ。けっこう楽しい。
「……じゃあ俺は玄野くんのままなの」
「え。だって友達だもん」
わざわざ変える必要なくない?
「……長瀬ってやつは諒ちゃんって呼んでるのに?」
どこか拗ねたようにのぞきこんでくる玄野くん。
「…って、近い近い!!」
玄野くんの肩を押して向こうへ押しやる。
玄野くんはそれに抵抗せずおとなしく離れた。
「あ、もうすぐ終わるね」
ゴンドラはゆっくりゆっくり、下へおりていく。