俺様王子は子猫がお好き
〈第3章〉
今すぐ会いたい
「……で、あんたは玄野くんを全否定したあと、さらには遊園地にひとり置き去りにして帰ってしまったと」
翌朝の通学路。
綾乃ちゃんが重っ苦しい溜め息とともにそう言った。
「はい……」
ちなみに今日はくるみは寝坊。
「一言で言うわ。それは、あんたが最低」
ですよね…。
あたしも本当にそう思う。
家に帰って死ぬほど後悔した。
あたし何てことしたんだろうって。
「わかってるのに何でそんなひどいことしたの?」
そう、そこなんだよね…。
「……怖くって…」
「怖い?」
「あんなこと初めてで……初めての経験で……怖かったの」
自分でも何言ってるかわからない。
ただ、玄野くんと一緒にいたらあたしの心すべてを取られてしまいそうな、変な気持ちになったんだ……