俺様王子は子猫がお好き
「結菜に伝えろ。顔見たくないからもう二度と来るなって」
それだけ言って、俺は森川に背を向けた。
「下がれ」
「……龍様…」
「聞こえなかったか?!」
なおもなにか言ってこようとする森川に大きな声を出す。
「絶対……結菜とは会いたくねーんだよ……」
会ったらきっと、夢で見たように結菜に迫ってしまう。
どうして好きになってくれないんだ。
どうして俺じゃだめなんだ。
どうして、どうして、どうして……
好きだとわめいて抱きしめてそしてそのまま……
俺の体がぶるっと震えた。
そんな自分が怖い。
俺はもうこれ以上、自分を嫌いになりたくない……