俺様王子は子猫がお好き
トラック半分まで来たとき、尋常じゃない痛みがあたしを襲った。
「……っ!」
一瞬意識が飛びそうになるのをぐっと立て直す。
あと…あと半分だけ…!
もう心臓が破れそうだ。
視界の端に、黄色のはちまきが見えた。
ゴールも近づいてくる。
熱のせいか目の前がチカチカして吐き気もひどい。
脚はつりかけていて、足首の限界も近い。
ちょっと油断したら動けなくなりそうなところまできているけれど、頭は妙に冴えていた。