俺様王子は子猫がお好き
むしろ長瀬くんとは正反対のタイプ。
明るめの茶髪はさらさらで、
ほどよく引き締まった線の細い身体。
そう、例えるならまさに…
「…王子様」
どこからともなくそんな声が聞こえてくるとともに、玄野くんとバチッと目が合った。
「さ、玄野。なにか一言…」
「見つけた…」
先生の言葉を無視して玄野くんが呟いた。
騒がしいのにその声は不思議とよく響き、一瞬にして教室が静まり返った。
「やっと会えた」
よくわからないその言葉にみんな首をかしげる中、玄野くんはあたしを見つめたまま
こちらへ歩いてきた。
え…これ、あたしのほうに向かってきてる…?