俺様王子は子猫がお好き
「もうちょっと一緒にいる」
「…はい?」
まるで子供のようなことを言っているのに、
窓から差し込む夕焼けに照らされた玄野くんの顔は、ほれぼれするくらいきれいで大人っぽい色気がある。
「く、玄野くん?…っわ!」
玄野くんは素早くあたしをそばの壁に押し付けた。
そしてあたしの横髪をかきあげ耳に唇を寄せてくる。
「まだ帰さない」
「っ…!」
く、唇耳にあたった…!
その瞬間ゾクっとした甘い痺れがあたしを襲って、ぎゅっと目をつむってしまった。
そんなあたしを見てか、玄野くんがくすくす笑う。
「なに?耳弱いかんじ?」