俺様王子は子猫がお好き


長瀬くんは部活の最中なのか、水筒を持っていてちょっと汗がにじんでいた。



少し気まずい雰囲気が流れ出す。

 

「あ、えっと俺教室に水筒忘れちゃってさ」



「あ、はは。そうなんだ」



…っ…てちょっと待って?!



「それっ!どうしたの?!」



長瀬くんの目の下あたりから血が出ていた。


よく見ると若干内出血もしてるし…!



「え、あーこれか」


さっきは血出てなかったのにな、と呟いた長瀬くんが笑って言う。


「さっきのミニゲームでヘディングんときぶつかってさ」


ヘディング…


そっか、長瀬くんサッカー部なんだ。

だから体育の時あんなサッカー上手くて…

ってのは今はどうでもよくて!



「すぐ手当てしなきゃ!こっち!」
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