俺様王子は子猫がお好き
「こ、これ以上近づいたら大声出すからね?!」
「俺はべつにいいけど?」
玄野くんの手が机について、あたしは机と玄野くんの間に挟まれてしまった。
「ど、どいてよ…っ」
「俺以外の男になつくな。俺しか見るな」
突然そんな甘い言葉をささやかれて、カーッと顔が熱くなる。
「な、なついてなんか…きゃっ」
玄野くんがあたしをそのまま机に押し倒す。
「ふざけないで!あたし、諒ちゃんのところに…」
「行かせない」
玄野くんがあたしの手をがっちりつかんで
バンザイさせるようにまとめてくる。
や、やば抵抗できない…!
玄野くんの瞳はいらだったような強い光で揺れていた。
「結菜…好きすぎておかしくなりそう」
ドクンッ…
まただ。またあの放課後の教室のときのように心臓が跳ねた …。