俺様王子は子猫がお好き
結菜と諒吾。
私にとってどちらも大事な存在。
どっちもなくしたくないけど、片方を取ればもう片方を失うことになる…
「あはは。いいよ、私も食べるよ」
ちゃんと笑えてるよね…?
苦しい……
「何がクレープだ」
突如後ろから聞こえてきた不機嫌丸出しな声。
「うげ、玄野くん…」
転入してきて間もないのに、一部では”王子様”
なんて呼ばれているらしい。
そんな玄野くんのたいそうお怒りの様子に
「うぅ…」
結菜が私の後ろにさっと隠れた。