俺様王子は子猫がお好き


「あ、いや私は…」


「ほんとおまえ、いいやつ」


そう言ってもう一度笑い、

諒吾は私の頭をくしゃくしゃっと撫でると行ってしまった。



「あ、頭触んな!」


遠ざかっていく諒吾の背中に向かって叫ぶも、こちらを見ずにひらひらと手を振られてしまう。



きっと、意味なんてないんだ、今のにだって…。



本当は結菜のこと諦めてほしかったのに励ましちゃうし。



”いいやつ”なんて完全友達としてしか見られてないし。



もし私が結菜なら先に帰ってしまわず一緒に帰ってたかもしれないし…



そうやってぐるぐる考えてしまう。




なんだけど……

 

「……っ」


諒吾が触れた頭にそっと手をのせる。


喜んじゃってる自分がいるんだよね……

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