俺様王子は子猫がお好き

そのままずかずかと中へ入っていく。


「お帰りなさいませ、龍様」


わっ、リアルメイドさん…!
玄野くんに出会う度、メイドさんたちが頭を下げて道をあける。


すごい!玄野くん…!


ぽけっと感動していると、
玄野くんは部屋のドアを開けあたしを連れこんだ。


どうやら玄野くんの部屋みたい。

う…あたしんちのリビングより広いよぉ…


「俺、おまえに見せたいもんあってさ」

「み、見せたいもの…?」

「そーそー」


なんて言いつつも玄野くんは見せる気がないのかあたしに向かって静かに歩いてくる。


「ちょ、見せたいもんがあるんでしょ?!何でくるの……っ」

「だって結菜が逃げるから」


う、なんか前にもこんなことがあったような…?!


激しくデジャヴに悩んでいると、玄野くんがあたしをひょいっと抱き上げた。

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