俺様王子は子猫がお好き

「結菜……ありがとう」



とびっきりの笑顔を見せた。



その瞬間…



ドクンッッ……!



ひときわ大きな音をたてて心臓が跳ね上がった…


「な、何が?」


驚きと戸惑いに声がかすれる。



「結菜のおかげで大事なことに気づけたからさ」


え……?


「ありがとうって言うことの大切さ。言われたときの嬉しさ」



玄野くんはあたしをしっかり見つめた。



「それに気づけたのはおまえのおかげだから……だから、ありがとう」


   ☆   ☆   


ドクンドクンドクン……ッ


あのときの玄野くんの声と笑顔を思い出すと心臓が壊れそうなほど早鐘を打つ。

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