100通目のラブレター
「痛っ」
私が弱気になった瞬間、海斗は私のおでこをデコピンした。
「何すんっ」
ムカついた私がやり返そうてして手を上げ、海斗のほうを見ると…
「…っ!!」
海斗は、
今までに見たことがないくらい優しい笑顔をして、私を見ていた。
「…?」
「葵なら、大丈夫だよ。
チームメイトを引っ張っていかなきゃいけないからって、力まなくていい。
葵のペースで、葵らしく引っ張っていけばいい」
「!!」
心を、掴まれた気がした。
小さい頃、あんなに泣き虫だったのに、
私より小さかったのに…。
いつの間にか背も私を追い抜いて、たくましい“男”に成長していた、海斗。