100通目のラブレター
その日、
海斗といつものように一緒に帰っていたはずなのに、道中の会話の内容が手紙が気になりすぎて、覚えていなかった。
「じゃーな」
「えっ…」
「は?えって、もう家なんすけど?」
「あ…ごめ。じゃね」
「おう…?」
だから、気がつくと家についていて、「せっかくの2人きりの時間が…」って思いつつ、
やっぱり手紙のことが気に入って、
「ただいま!」
と、声を発するなり母の「お帰り」の声も聞かずに自分の部屋に入った。