100通目のラブレター
〜悲劇〜
海斗side
『デート!…がしたいです…』
それは、13年間どんな時も一緒に何事もなく過ごしてきた俺達の関係からすれば、一生出るはずのない言葉だった。
でも、俺からすれば「これほどまでに待ちわびていた言葉はない!」ってくらいに大きな意味をもつ言葉でもあった。
なぜなら、俺は小さい頃からよそ見をすることなく、ずっと葵のことが好きで、告白する機会を待ち続けていたからだった。
「何で好きになったの?」
って聞かれると、
「一番近くにいた子だったから…?」
なんて、ロマンチックのかけらもない理由なんだけど、物事をきちんと理解できるようになってから俺は、いろんな葵を側で見てきて、「あぁ、俺コイツのこと好きだな…」って、実感してきた。