100通目のラブレター
「クラスの奴等は、たぶん澪の呼び掛けとかもあってだと思うけど、先生に何も言われなくても自分達で『渡して』って言ってきたよ。野球部の奴等には俺が頼んだ。
コイツらも葵のこと全然知らなかったから、何書いてっかわかんねーけど…」

「っ……ありがとう」


「それは、早く治して自分で言いに行けよな」

「うん、もちろん」


「おう。…んじゃ、俺そろそろ行くわ」

「あ、待って!」

「ん?」

「手紙、いとこさんによろしく。『遅くなってすいません』って、伝えておいて」

「ん、了解。てか、字下手すぎ」

「ん〜そうなんだよね。よくわからないけど、しっかり力入んなくて…。骨折のせいなのかな…?」

「ま、全部しっかり治せ。……んで」

「んで?」

「んで…誕生日もデートも、仕切り直ししよう…ぜ…」

「え…。」


「早く寝ろ!じゃな」

「え、ちょ海斗!」






え…誕生日とデートの仕切り直しって、言ったよね…?


「……ありがとう、海斗」

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