100通目のラブレター
〜山田陵佑…?〜
そして、
夏休みが終わり、
秋休みも過ぎ、
2学期も終盤にさしかかろうとしていた頃―…。
「退院おめでとう、葵ちゃん」
「ありがとうございました」
足にはまだ固定器具が付いていて、短い距離をようやく自力で歩けるようになった私に、退院の許可がおりた。
「彼氏君!」
「…。」
「ねぇ、君だよ、彼氏君」
「えっあ、はい」
「葵ちゃんのサポート、よろしくね」
「えっと〜…」
「あ!看護師さん!」
「あははっいーね、青春だね!頑張りなさいよ、葵ちゃん。バスケだけが人生じゃないんだから」
「…はい。お世話になりました」
優しい看護師さん数名に見送られ、お母さんと荷物持ちのために来てくれた海斗と一緒に病院を後にした。