今宵、月が愛でる物語
「…………………ダメ、か。」


ポツリと呟いたセリフは誰にも届かない。

半ば呆然と握りしめたフェンスは、ひやりと冷たく私を笑った気がした。



「…せんせ……。楷(かい)先生……。」


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