今宵、月が愛でる物語
耳元で囁いたそれが合図だったかのように、千景さんの指先は繊細に私のカラダを探り始める。

ブラウスのボタンに右手をかけ、左手は指先で耳たぶや顔の輪郭、唇をなぞり、

視線は羞恥心を煽るように決して揺らぐことなく私の瞳を捉え続けた。


< 130 / 136 >

この作品をシェア

pagetop