今宵、月が愛でる物語
「…んっ。……あ…、た…すくっ!」

「風華…!愛してる……風華っ!」

カーテンの隙間から覗く三日月の明かりが、絡み合うふたりの影を映す。


これで…風華に触れられるのは最後。


もう二度と、交われない。


「やっ…、あ…祐!祐!…んっ!」

激しく揺さぶる俺にしがみつく彼女を見るのも、胸元と足の付け根のホクロに口付けられるのも…これで最後だ。



< 29 / 136 >

この作品をシェア

pagetop