今宵、月が愛でる物語
抱きしめた身体がぴくりと震え、この上ない愛しさとともに一気に襲ってしまいたい本能が胸を突き破りそうになる。


……いやいや、頑張れ俺。


まだやるべきことがある。

なけなしの理性をはたき、頭の中を冷やす。


そう。


この場所を選んだ理由。


それをはっきりさせよう。


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