今宵、月が愛でる物語
過去の出逢いや別れを話し、想いを伝える。

そして彼女の瞳を見つめたままそっと、左手の薬指に指輪をはめる。

…2年前に一度しまった指輪。

有無を言わせずはめてしまうのは、もう決して離れないという意思表示のため。

心臓が破裂しそうに緊張してるのは絶対にヒミツだ。

「…詩帆。

この2年、ずっとお前が恋しかった。

朝目が覚めた時も、夜ベッドに入る時も、ずっとお前にそばにいて欲しかった。

もう、一生、寂しい思いはしたくないし、させたくない。

だから、誓う。

一生君を愛して、命をかけて大切にする。

………結婚、するよ。」


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