今宵、月が愛でる物語
「結婚するよ。」

プロポーズの最後の言葉を、琉偉はそう締めくくった。

それはとっても琉偉らしくて……

『詩帆が欲しい』

そうハッキリと言い切ってくれているのが伝わって嬉しかった。

心臓が壊れそうなくらいにうるさいのはきっと、ずっと待っていた言葉を貰ったからだ。


「………うん。結婚、しよう。」


涙声で掠れる返事は、そう言うだけで精一杯だった。

だから、残り気持ちは、ぎゅっと彼の背中を抱きしめることで伝えた。


ありがとう。


愛してる。


ねぇ、琉偉。


この気持ち、ちゃんと伝わったかな。


< 64 / 136 >

この作品をシェア

pagetop