今宵、月が愛でる物語
「はぁ!?ナニそれ、見合い!?」
それは突然の報告だった。
時刻は16時、取引先のミスを何とかカバーするべく動いていた真っ最中のほんの束の間の休憩時、喫煙所で三沢さんが俺に耳打ちしたんだ。
「朱夏ちゃんお見合いしちゃうわよ。いい加減なんとかしなさい、黒崎。」
橘朱夏………。
新人で俺のとこに来た時からずっと気にかけて…その一生懸命さや明るさに惹かれて、好きだと気づいたのはもう一年半も前だ。
告白しようと思ったこともあったが『仕事も半人前なのに恋愛だけしっかりなんて嫌だ』と言っていた彼女を、もう少し見守っていようと俺の気持ちは伝えられずにいた。
商品部のやつらは皆、わりとすぐに俺の気持ちに気付いた。
ヤツら曰く『分かり易すぎ』だそうだ。
でも当の本人はサッパリだ。
可愛いあいつに目をつけて近づいてくるやつらも何人かいたが全部牽制してきた。
正直、あいつが俺のこと好きだってこともわかってる……たぶん。
それでも何も言ってこないのはまだ仕事に自信がないからか?
それともそろそろ俺からいってもいいのか?
そう考えていた矢先だった。
それなのに…ここまで来て他の男に持ってかれるって!?
………ふざけんな、冗談じゃない。
こうしてこの日、俺の作戦は実行された。
それは突然の報告だった。
時刻は16時、取引先のミスを何とかカバーするべく動いていた真っ最中のほんの束の間の休憩時、喫煙所で三沢さんが俺に耳打ちしたんだ。
「朱夏ちゃんお見合いしちゃうわよ。いい加減なんとかしなさい、黒崎。」
橘朱夏………。
新人で俺のとこに来た時からずっと気にかけて…その一生懸命さや明るさに惹かれて、好きだと気づいたのはもう一年半も前だ。
告白しようと思ったこともあったが『仕事も半人前なのに恋愛だけしっかりなんて嫌だ』と言っていた彼女を、もう少し見守っていようと俺の気持ちは伝えられずにいた。
商品部のやつらは皆、わりとすぐに俺の気持ちに気付いた。
ヤツら曰く『分かり易すぎ』だそうだ。
でも当の本人はサッパリだ。
可愛いあいつに目をつけて近づいてくるやつらも何人かいたが全部牽制してきた。
正直、あいつが俺のこと好きだってこともわかってる……たぶん。
それでも何も言ってこないのはまだ仕事に自信がないからか?
それともそろそろ俺からいってもいいのか?
そう考えていた矢先だった。
それなのに…ここまで来て他の男に持ってかれるって!?
………ふざけんな、冗談じゃない。
こうしてこの日、俺の作戦は実行された。