インフィニティ(仮)
「…………父さん?」


マイクを通してしゃべっていたのは僕がよく知る人物だった。


『君たちの下にグローブがある』


全員が一斉に下を見た。確かにある。
いつの間に…。


『全員それを直ちに着用。只今をもって対スルト戦の実験を行う。』


僕らの両端の壁がせり上がっていく。

狭かった部屋は巨大な部屋に変わった。


所々にコケの生えた部屋の奥に巨人・スルトがいた。


「え…?」


両腕は灼熱の炎に包まれその温度は1000m離れたここまで伝わってくる。


猫背気味の背中には悪魔のような翼が生え…

見る者を凍り付かせるような鋭い眼光でこちらを見ている。



「恭!?あれ何!!!?」

「わ…わかんないけどスルトじゃないの?!」


いきなりの状況に完全にパニックになっていた。


「はぁ…やっぱそう言う事ね。」

携帯をいじっていた少年はそれを閉じてグローブを取りに行った。


「はい」

僕らの方にグローブを2つ投げてきた。

「あ…ありがとう。」

弥生にグローブを渡し僕もグローブを右手に着ける。


「僕は榊 浩平(さかき こうへい)。よろしく。」


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