インフィニティ(仮)
辺りを見回すと、立っているのは僕…弥生…浩平君。

そして片目の白髪の男の子だ。


僕と浩平君は意識を保つだけで精一杯。
弥生は剣を持って立っていた。



…剣?そんなものあったっけ?

「弥生…そ…それどうしたの?」


「わかんないわよ!いきなりグローブから出てきたのよ!!」

スルトは雄叫びをあげた!



その息吹で空気が焼ける…!


……駄目だ…!死ぬ!!


意識を保っていた浩平君も倒れ、片目の男の子は膝をついた。


「…なんだか、平気なのは私だけみたいね…。」


弥生は剣の柄を握りしめスルトに向かって走っていった!


「弥生ー!!」


声を発するのもつらい…しゃべるだけで喉が焼けそうだ…。



僕は天井を向いて叫んだ。


「父さん!!ねえっ!止めてよ!!みんな死んじゃうよ!!!ねえってばっ!!」


…父さんは微動だに動かず、ただ見つめていた。




…怖い!!


このままだと本当に死ぬ…。

父さんは何もしない父さんは見てるだけ父さんは…。



見捨てる。



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