インフィニティ(仮)

見えない壁

「はっ!」

目が覚めると、僕は白いベットの上に寝ていた。

まわりを見渡すと病院のようなところでさっきの人達と寝ている。

右隣には片目の男の子。

左隣には浩平君がいた。




…弥生は?



離れた場所には無視された子と体格のいい子。



…それ以外は見当たらない。



「や…よい?」


体を起こそうとしたけど思った以上に言うことをきかない。

動かす度に全身に激痛が走る。


「…くぅっ。」




カツカツと何かが迫ってくる音が聞こえた。

不意に僕の前に顔が現れた。


「恭。ご苦労だった。」


…父さん。


僕のよく知らない父さん…。



楽しかった思い出が無い父さん。



…みんなを…。




弥生を見捨てた父さん…!



「……っ!」



考えるより先に手が出た。

激痛が走る体を我慢し、父さんの胸ぐらを掴んだ。


「…どうして……何でっ!父さん!」



…父さんは顔色一つ変えず…僕を見ていた。



「弥生はどこ!?」


「…グローブだ。」


「……?」


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