インフィニティ(仮)
「天空より大地に突き刺さりし神の裁きを…」
空の雲達が暗黒をまとい始めた。
次第にあたりは暗くなり…漆黒と化した。
「っ!トールハンマーだ!」
バチバチと黒光りを放ち、激しい轟音が鳴り響く空に人々は恐怖した。
「…トール、貴様の負けだ。」
私の目の前にいる男…ロキはそう言った。
「黙れコラ。ミョルニルで粉々にしてやる。」
妖しい黒光りを放つ雲は巨大な鉄槌ミョルニル目掛けて電撃を落とした。
「黙って消えろ。」
ミョルニルを空高く構え…ロキに振り落とさんとした時だった。
奴のまとう衣服からあってはならぬものが見えた。
…それはかつてこの地ニフルヘイムを脅かしたユミルの輝石だった。
「な…何ぃ!?テメェ何故それを!」
「ふははははっ!!
‘エッダ’は私のものだ!!」
奴のかざしたユミルの輝石は全てを無に返した。
真紅の輝きを放つユミルの輝石…
それは巨人族ユミルの首を切り落とした後に大洪水の血の海から生まれたと言われている。
その力は四宝に匹敵する。