インフィニティ(仮)

「恭。」


ガレキの向こうに…

父さんがいた。


「行け。スルトを倒せ。お前の使命はなんだ?」



分からない。なんだか分からないけど…

僕は父さんの声に逆らえない。


体が硬直したように動かない。

「巨人族からエッダを守れ。ラグナロクはもう始まっている。」



「あ…う。」

父さんは背を向けて歩いていく。

…なんだろう。不安で仕方がない。

やがて僕の心は不安と恐怖で塗りつぶされていった。


「待って!待って父さん!」

僕はガレキの山に突っ込み無我夢中で掘り進んだ。


「恭!やめろって!手から血が出てる!」


…一瞬我に返り。自分の手のひらが血まみれになっている事に気がついて痛みが走った。


右手の人差し指の爪がはがれ、とても痛い。

「くぅ…。」


「あ～…何やってんの？ここからは行けそうにないから他の場所を探そう。」


落ち着いてまわりを見渡すと下水道の入り口があった。

「あそこから行けるかな…？



「うん、行けそう!」


昴君に鉄製の蓋をとってもらって僕らは中に入った。