インフィニティ(仮)
僕の右手からは細身の西洋風の剣が現れた。
その瞬間、清十郎君と昴君は僕の方をビックリした顔で見た。
「あれ!?トールは!?」
「フォルセティも…?何故だ?」
まるで二つあるのがおかしいような言い方だ。
けどその質問の投げかけに答えることは出来ないまま戦闘に入った。
不死者が僕に襲いかかる!!
僕は辛うじて攻撃を防いだ。
不死者は恐ろしい表情と虚ろな瞳で睨んでいる。
「ご!ごめんなさいっ!!」
不死者はそのまま後ろに吹き飛んだ!
昴君の援護だ。
「恭!魂を奪え!キミなら出来る!」
僕は小さく頷き、不死者の方を向く。
清十郎君も昴君も自分を守る事でいっぱいいっぱいだ。
…僕だって。
やっぱりちょっと待って。心の準備が…。
けど敵が待っていてくれるわけもなく…
前に2匹後ろに3匹。
挟み撃ちとかいうやつだ。
清十郎君と昴君は僕の4~5倍の人数と戦っているから僕はマシな方。
落ち着いて一人ずつ倒せばいい。
それだけのこと。
僕は剣の柄を握り…不死者に立ち向かった。