インフィニティ(仮)
しかし壁や味方には傷一つついていない。
「な…なんだ。結構やれるじゃないか。」
しかし不死者達は体が半分でも向かって出てくる。
下半身から上が燃えながら歩いてくる。
「ぐう…!」
突如清十郎は膝をついて倒れた。
「清十郎君!」
近寄ると辺りに血が散乱している。
…もちろん不死者のものじゃない。清十郎君だ。
「恭!清十郎出血多量で死んじゃう!」
氷はほどよく溶け、赤いしぶきを吹き出して地面に落ちた。
「くそ…。」
「逃げよう!恭!」
「でも清十郎君は!?」
もう動けないと思う。かなりの出血だ。
清十郎君は立ち上がり槍を振り回し構えなおした。
「俺は問題ない。行け。」
「で、でも。」
昴君は僕の手首をつかみ強引に引く。
「行くんだよ!恭!」
半ば無理やり連れられた。
遠く離れていく清十郎君をみると…背中から手が生えていた。
「ぐは!」
貫通している。
それでもなお戦い続ける姿は絶望の中…生にしがみつく恐ろしい光景だ。
気が付くと昴君の手を振り払い、清十郎君のもとに走っていた自分に気が付いた。