インフィニティ(仮)
「しっかりしてっ!」
不死者の間をかいくぐり、その中に彼を見つけた。
「恭…なんだか体が軽くなったぞ。」
触れた肌は冷たく…
見つめる眼は…
不死者のようだった。
「グングニル。」
その鋭い刃は僕めがけて、縦に勢いよく伸びてきた!
「危ない!」
とっさに昴君が僕を押した。
僕は地面に倒れ、黒い影が宙を舞った。
「ぎやああっ!」
飛んだのは昴君の左腕だ。
「くそっ!やったなこのお!」
幸いにも腕から出血はない。
切られたというよりも‘取り外された’ような感じだ。
腕がとれた場所の空間ごともぎ取られている。
むきになった昴君はヴィジョンを解放した。
「くらえ!ギャラルホルン!」
凄まじい振動で建物が揺れる。
「昴君!止めてよ!あれ清十郎君だよ!!」
僕の声は届かない。
建物がきしむ…
このままじゃあ…みんな生き埋めだ!
埋め込まれたレンガが小刻みに揺れて…徐々に隙間を大きくしていく。
一つ…また一つと取れ始め、もう止まらない。
限界に達して一斉に崩れ落ちる!!