インフィニティ(仮)
「うわぁぁぁぁ!!」
目の前がくらくなっていく恐怖感。
一つしかない選択肢。
僕はパニックに陥り、頭を力一杯にかきむしり、地面に向かって膝をついて眼孔を開き叫んだ。
…死は以外に痛みは無かった。
明るい日差しが僕の目の前に差し込んでくる。
僕の目の前には髪の長い女性のシルエットの影が僕に覆い被さっていた。
「弥生?」
ここは天国なのか。よくわからない。
「大丈夫?」
次第に目が慣れてきてシルエットは弥生じゃないことを認識した。
「ど……どなたですか?」
今気付いたけど…この人僕と同じグローブをしている…。
と言うことは…。
「坂上月乃(さかがみつきの)」
…どこかで聞いた名前…気のせいかな?
坂上月乃と名乗る同世代くらいの女の子はそう名乗った。
ふと周りを見渡すと僕と昴君の周りのがれきは見事に僕達を避けて落ちていた。
「君が助けてくれたの?」
僕が月乃にそう問いかけると、月乃は鼻で笑った。
「勘違いしないで。ロキからユミルの輝石を奪う為よ。手を貸してちょうだい。」