インフィニティ(仮)
次第に弥生がやったんだと無意識の内に思うようになっていた。
それでもやってないと思いたいのはただの僕の願望なのだろうか…?
僕は現実から逃げるようにあの葬式の日以来弥生と会っていない。
こうすれば楽だから。誰も傷つかずにいれると思っていたから。
でもそれは自分が傷つきたくなかっただけかもしれない。
…再び弥生と出会った時にはいつもの弥生だった。
いつしか…
心のオクソコニシマワレタキオク…。
再び出会ったのはいつだろう…
あれは…
「恭…。」
そう、こんな風に呼ばれたんだ。
「恭!!」
「うっ……。」
目の前の視界がぼやける。
僕の前にいたのは弥生ではなく昴君だった。
…そうか。気を失っていたんだ。
「よかった…もう目を覚まさないかと思ったよ…。」
そんなに長い間眠ってたんだ…。
辺りを見渡すと景色はガラリと変わっていた。
ここは…神世第二東京の北の方?
遠くにアスガルドが見える。
「っ…!!」
後頭部に鋭い痛みが走った。