インフィニティ(仮)
そうか…僕殴られたんだっけ…。


「…振り切ったみたいね。」


そう月乃が昴君に話しかけた。



「あんなの反則!あり得ないよ!」



スルトの事だろうか…?
話が見えない。



「とにかく…。」


見張りをしていた月乃がこちらに向かってきて座った。


「ロキはアスガルドにいることが分かったし。あいつに追いつかれる前に行くわよ。」


「あいつ…?」


僕は我慢出来ずに聞いてしまった。


「うん、攻撃型のヴィジョンだからさ…僕らじゃどうしようもなくて…。」


清十郎君のことか…。

「僕と坂上は変化型だから攻撃型の奴には弱くてさあ…。あ…言ってなかったけど力関係はこんな感じ。」



昴君が言うにはもう一つ特殊型と言うのがあるらしい。


攻撃型は変化型に強く、変化型は特殊型に強く、特殊型は攻撃型に強いらしい。


「君はどう見ても攻撃型よ。」


「そ、そうなの?」



「月乃!見つかった!」


昴君が指さす方向…後ろを二人で振り向くとビルが斜めに切れてそのまま滑るように倒れていった。


大きな音と共に煙が空に舞う。

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