インフィニティ(仮)
そして二人も手が出しずらそうに警戒している。


…狙いは僕?



チラリと叩き落とした刃を見ると、放電して溶けていた。

…増える気配はない。


視線を弥生に戻すとそこにはもういなかった。

「何ボーとしてるの!!右!」



右を見ると至近距離の弥生と目があった。


…やばい。

とっさに武器を手放し左に下がる。

フォルセティが僕の頸動脈をかすめた。

血が弥生の顔めがけて吹き出す。


「うっ…。」



…大丈夫!まだ傷は浅い!


弥生は血が眼球に入っているにも関わらず全くひるむ様子がない。


空振りしたフォルセティの剣先を伸ばしぼくの左肩に突き刺さる!


「うあ……っ!」

肩が熱い…。焼けるような鋭い痛み…。


弥生はそのまま僕の首を両手で掴みかかり押し倒した。


「恭!くそっ!」


昴君が割り込もうとしているところを月乃が制止しているのが見える…。


ゆっくりと首を動かして弥生を見た。


懐かしい顔だった。

もうろうとする意識の中…弥生は笑いながら泣いていた。


「恭…恭。」


弥生が話しかけてきた。


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