インフィニティ(仮)
「…わかったよ。」
僕は少し考えて答えた。
「死ぬ気!?」
右手に刺さるフォルセティが僕の中に浸食していく…。
血管の中を這いずり回られているかのようだ…。
「うう…っ」
右手に様々な‘何か’が流れ込んで来るのが分かる。
憎しみ…
悲しみ…
信頼…
これは……弥生の心…?
胸が焼けるように熱い…。
けど苦しんでいたのは弥生だった。
「イヤ!!嫌だ!見ないで!いやぁぁぁぁ!!」
突き刺さるフォルセティはもう僕と一体化して抜けない。
「落ち着いて!弥生!」
「やだっ!やだ!!助けて!……ママッ。殺さないで…私を………私を見ないで!!!」
必死でフォルセティを抜こうとするが…距離は縮まっていく…。
…これは弥生の心の距離だ。
弥生は僕に居場所を求めている…でも入る事を恐れているんだ。
「大丈夫…大丈夫だから。」
そのまま弥生の頭に左手を置いて額と額を軽くぶつけた。
弥生の気持ちが僕の胸にフォルセティを通して痛いほど流れてくる…。
「僕は弥生を裏切ったりしない…。だから大丈夫…。