インフィニティ(仮)
チャキっと言う音がした。


銃…だ。


「38口径リボルバーだ。楽に殺してやる。」

上から見下すような瞳で双真は僕の額目掛けてゆっくり…

引き金を引いた。



アスガルドの最上階で鳴った銃声は地表まで鳴り響いた。



「ばあっ!!」


「うわぁぁっ!!」


目の前のたくましすぎる肉体のアップにかなりビックリした。


ぼやけた視界を戻すために、両目をゴシゴシと手でこする。
…そこには昴君がいた。


「よっ。」


僕は軽く体を起こす……ってあれ?


よく見ると、弥生に傷つけられた箇所はどこもかしこも無傷だ。

「あれ?…あれあれ?」


不思議がっている僕を見てアスガルドを眺める月乃が言った。


「…はぁ。あなた…本当に何も知らないのね…。」


そう言ってアスガルドから目を背け…僕に視線を送った。

「ヴィジョンって何か知らないでしょ?」


突然の質問に僕はただ無言で首を縦に振った。


「…ヴィジョンと言うのはその人の思念…思い…気持ち…。思念が強ければ強いほどヴィジョンは強くなる…。」


…気持ちの力…。
< 76 / 78 >

この作品をシェア

pagetop